【グウェント】シーズン・ベア環境日誌。

 今月はまぐろさんに影響されて、対戦記録を取ってみました。リーダーとおおよそのデッキタイプ。こんなの入れてるんだ、というカードがあればそれもメモ、という感じで。

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 そうしたところ記録が400戦分ほど溜まったので、それをもとにシーズン・ベアを振り返ってみます。本当はシーズン振り返るにはまだ早いんですが、キリのいい試合数なのと、新拡張来たらそれどころではなくなるので今のうちにやってしまえと。
 今シーズンはランク5スタートでしたが、記録取ろうと思い立ったのはランク4に上がってから。で、400戦のうちランク1までで112戦、プロランクが288戦となってます。
 リーダー名のあとの数字は、400戦中であたった数と遭遇率となってます。

Tier1(遭遇率10%以上)

1.ゲルニコラ(68戦、17%)
2.ブラン・テルショック(46戦、11.5%)


 今シーズン、遭遇率1割を超えたのはこの2リーダー。

 なかでも抜けて環境トップとなったのはゲルニコラ。
 リーダーチャレンジという追い風もありましたが、チャレンジ期間になって急に増えたわけではなく、シーズン通してよく見かけました。

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 デッキタイプは、不動のエース・オールドスピアチップ率いるおなじみのビッグ型、ユニコーンキロネックス、氷の巨人などを入れたミッドレンジ型、竜の夢&ニヴェレンのコンボを採用した竜の夢型など。月のはじめ頃は竜の夢型をよく見ましたが最近は減少、代わりにシンプルなビッグ型が増加傾向。
 安い成長ユニットをずらっと並べてぐいぐい育てることでR1を奪い、続けてR2をプッシュすることで相手のやりたいことをやらせずに押し潰すのが勝ちパターン。
 どのタイプでもレギュラー入りしてるのがブリュエス、ウィーヴィス、ウィスペスの三姉妹。戦力値5が成長ユニットと相性良く、このところのモンスターでは鉄板となってます。


 数でいえば2番目ですが、シーズン・ベアの象徴的な存在というとブランになるでしょう。ブランというかコーラル。昨シーズンからの増加率でいえば間違いなくトップ。


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 調整によって使いやすくなったコーラルとブランのリーダー能力によって、ゴミカードを破棄してデッキ圧縮しながらダメージをばら撒く動きがとにかく強力。
 また、本来はコーラルで捨てるためのゴミとしてデッキに入ってるディメリティウム爆弾、胞子、晴天といったカードは、相手のデッキによってはフィニッシャーを潰しうるテックカードとして普通に機能することもあるので、対応力もあります(イリスあたりにやられるならまだしも、竜の夢を晴天で消されたりすると本当にがっかりします)。
 デッキタイプとしては、当初はリッピー・ガドムンドによってウィッチャー三人衆、ローチや、R1から惜しみなく切っていった強カードを後のRでも使い回すミラクル・リッピー型が流行。ただ、いくら圧縮に優れているといっても、リッピー、コーラルがデッキの底に沈んでる場合にどうしようもないのが欠点。より安定して戦えるデッキとして、ジュッタ・アン・ディムン、ヤルマール・アン・クライト、シグルドリファの儀式などを採用した戦士型が登場すると、主流はそちらに移りました。
 また、先シーズンではクラフで採用されて大流行した指揮官の角笛&ハラルド・ハウンズノートのセットは、ブランでもしばしば見られました。
 今シーズンの代表的なデッキですので、コーラル持ってるなら折角ですから今シーズンのうちに使ってみることをオススメします。出る杭は片っ端から叩く運営のこと、コーラルは近いうちに再調整入りそうな気しますし。

Tier2(遭遇率5%以上)

3.モルヴラン・ヴーヒス(36戦、9%)
4.ブルーヴァー・ホーグ(29戦、7.25%)
5.クラフ・アン・クライト(28戦、7%)
6.メーヴ女王(27戦、6.75%)
7.ヘンセルト王(21戦、5.25%)
8.フィラヴァンドレル(20戦、5%)


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 遭遇率5%以上と、環境で存在感示したリーダーはこの6人。

 今月行われたGwentOpen#8ではあまり良いところなかったモルヴランですが、大会後もランク戦では特に数を減らすことはなく3番手をキープ。エムヒルが弱体化されたことで、ニルフガード使うならとりあえずモルヴラン、という状態になってるのも使用率の高さにつながってるでしょうか。
 デッキは、先シーズンから引き続いてミッドレンジ型が大人気。調整されたガレットのレソが新たにレギュラー入りしたくらいで、大きな変化はなし。ショープが入ってるかどうかは半々くらいでしょうか。
 ちなみに、公開シナジーを採用した型もたまに見かけました。3回ほど。ハマった時の強さは十分なんですが、ランク戦で主力として回すには安定感に欠けるという印象。まあ、1勝2敗で負け越したんですけど。


 スコイア=テルで1番人気だったのはブルーヴァー。
 かつてはシーヒルをフィニッシャーとしたエルフ中心のデッキが主流でしたが、今シーズンはエルデイン以上に罠を使いこなしだしたり、フィラヴァンドレルのようなドワーフ&ハンドバフ要素を取り入れたり、さらにはショープまで採用したりと、だいぶデッキの幅が広がった感あります。シーヒルを弱体化で取り上げられたのはかえって良かったかも。
 小回りの利く2点×3のリーダー能力、しかもブーストにもダメージにも使えるというのは、今のユニクロキロネックス環境に非常に向いてるので、もっと増えてもおかしくないと思います。


 スケリッジの1番手もリッピー・ガドムンドもブランに奪われたクラフですが、先シーズンのMetaSnapshotで環境トップ評価だった角笛型が今シーズンもしっかり居場所をキープ。
 今シーズンの流行としては、これまでクラフの相棒として定番だったゲラルト:プロフェッショナルが入っていないことがちょくちょくあり、代わりにヒム、ヴァビョルンあたりを見かける機会が増えました。あと破棄シナジーはないクラフでもコーラルが採用されていることも。さすがにコーラル強すぎ便利すぎということだと思います。
 

 メーヴ女王は、リーダーチャレンジ始まってから明らかに増加、チャレンジ期間終了後もそのまま勢いをキープしてTier2入り。
 デッキタイプは、従来のエンジン型が主流。フーベルト・レイクをフィニッシャーとして取り入れて爆発力を加えたフーベルト型、人間ユニットの多さを活かしたドラウグ型が開発されましたが、フーベルトの爆発力では本家のアダ王女に、ドラウグでの変身狙いならヘンセルト王に劣るため、エンジン型に取って代わるまでは至らず。もともとゴールドカード多いしとりあえず入れてみるかという感じでショープ入ってるデッキも見かけました。


 北方諸国で今シーズン流行ったリーダーというと、昨シーズンまではあまり見かけなかったヘンセルト王の方が、メーヴ女王よりも印象的。
 ケイドウェン騎士をデッキからプレイ、刺青隊の精鋭兵を増殖、というおなじみの動きを召喚陣でサポート。カールドウェル伯爵を呪いの騎士に変身させて裏切りを防ぎつつ、後のラウンドで屍術により10点呪いの騎士を呼び出す。ドラウグで味方を亡霊兵化してからのサブリナの獄炎。…といった新しい動きが開発されたことで、新鮮なプレイを求めてる人から人気を集めました。
 ただ、リーダー能力を使うタイミングが難しいので下手に手を出すと痛い目にあうリーダーでもあります(痛い目あいました)。対戦していると、1試合1回しか使えないリーダー能力なのにR1から使ってくる人がやけに多い印象なんですが、それがセオリーなのかどうかもよく分かりません。

 ちなみに、召喚陣は、最高級の槍、ワイバーンの鱗盾の致命的弱体化によりアーティファクト破壊が環境から激減した今シーズンの流行カード。アラキスクイーンで召喚陣にリーダー能力も絡めて、ヴラン・ウォリアー&フォークテイルでのコンボを狙うのは感心しました。他にエルデイン(罠&エルフの斥候)なんかでもちょこちょこ見ました。R2をプッシュされると腐りやすいのが弱点ですが、今後もまだ可能性秘めてそうです。


 フィラヴァンドレルも、今シーズンになってからだいぶ増えたリーダー。
 ドワーフを中心としたハンドバフデッキというのは変わっていないんですが、シェルドン・スカッグスとドワーフの扇動者の組み合わせの強さが見直されたことをキッカケに大きく浮上してきました。
 R1をドワーフの扇動者でシェルドン・スカッグスにバフをかけて、あとついでにマハカムの義勇兵でデッキ圧縮する、それだけのためのラウンドと割り切って、残り2ラウンドを強く戦うという戦術がTeamAretuzaの記事で紹介された影響もあったかと思います。
 GwentOpenではイェネファー:魔術師、パヴコ・ゲイルといったエンジンユニットを採用したフィラヴァンドレルをMolegion選手が持ち込んで2連勝したのが印象的。パヴコ・ゲイルはそうでもないですが、イェネファー:魔術師、あとポーリー・ダールバーグは大会後、見かける機会増えた気がします。

Tier3(遭遇率5%未満1%以上)

9.アーダル・エプ・デヒー(17戦、4.25%)
10.エルデイン(16戦、4%)
11.イースネ(15戦、3.75%)
12.アダ王女(14戦、3.5%)
13.エレディン(13戦、3.25%)
14T.森の精霊(10戦、2.5%)
14T.アラキス・クイーン(同上)
16T.見えざる者(7戦、1.75%)
16T.簒奪者(同上)
18T.フォルテスト王(5戦、1.25%)
18T.フランチェスカ・フィンダベア(同上)


 マイナーリーダーたち。ここらへんは、試しにちょっと使ってみると悪くなさそうでも、使い続けてみると今の環境ではちょっとしんどいかな、という部分が見えてくる感じ。

 エプ・デヒーでは、操る者で相手陣地に出した禁衛旅団の執行官をリーダー能力で奪い、さらに執行官並べてから密偵を出してチャージを増やしていくというデッキに当たったことあります。禁衛旅団の執行官の戦力値は3なので戦術カードを無理に入れる必要がない点など、よく考えられてると感心しましたが、結局それ一度きりしか見かけませんでした。

 エルデインは先月末の調整で強化されたものの、ブルーヴァーも罠を使いだしたことが逆風となって伸びきれず。不安定な3点×4より確実な2点×3の方が戦い方は安定しますし。

 イースネは、根強い焦土マニアによって支えられてます。イースネ見たら焦土入ってると思え。コスト的に余裕あるので、さらに竜の夢などの高コストフィニッシャーも入ってきます。一度、イースネがこちらの列を揃えてきたので切り裂きか竜の夢かと思ったら、ゲラルト:イグニが出てきてギャアとなったこともあります。

 アダ王女は、フーベルト型一択。弱くはないんですが手の内がバレバレなので、相手によっては本当に手札が透けてるかのように対応されるのが厳しい。

 エレディンは、月の半ばあたりは全く見かけなくなってたんですが、最近になってやや増加傾向。大型除去枠の流行が、先月までのゲラルト:イャーデンから今月はリヴィアのゲラルトに移ってる感じなので、エレディンは穴場かもしれません。

 森の精霊は、逆に月の上旬まではそれなりに見たんですが、最近はぱったり。ビッグモンスターの使い手としての立ち位置を完全にゲルニコラに奪われてしまいました。

 アラキス・クイーンは、先月末の調整での大幅強化、召喚陣が使いやすい環境、アラキスクイーン持ち込んだwangid1選手のGwentOpenでの優勝など、可能性は感じさせたんですが、環境入りまでには至らず。Tier1デッキ相手がややしんどいのかな(ビッグモンスターのプッシュ、コーラルのダメージばら撒きによるドローン潰し)。ヴェンガーバーグのイェネファー、蘇生が注目カード。

 見えざる者、簒奪者、フランチェスカは低値安定といった感じ。マリガンのシステム変更後には結構増えていた簒奪者ですが、最近はミッドレンジデッキが主流で、リーダー能力とのコンボで最終手番で一気に高得点出してR3を勝ち切るというタイプのデッキが少なくなってますので、簒奪者には生き辛い環境かと。

Tier外(遭遇率1%未満)

20.父殺しのアーンヨルフ(3戦、0.75%)
21.デマヴェンド三世(2戦、0.5%)
22.不具のハラルド(1戦、0.25%)
23T.エムヒル・ヴァル・エムレイス(0戦、0%)
23T.ジャン・カルヴェイト(同上)
23T.アイスト・テルショック(同上)


 環境から無視された絶滅危惧種

 まだ追加されて2ヶ月経っておらず、リーダーチャレンジという応援イベントまであったのにも関わらず、ここに入ってしまってるアーンヨルフ。ハラルド、アイストと合わせて3人もTier外になってしまってるのを見ても分かる通り、今シーズンのスケリッジはコーラル一色だったのでやむをえないところはありますが、コーラルが弱体化されたとしてもアーンヨルフが巻き返せるかっていうと…。

 デマヴェンド三世は、そもそも盤上のエンジンユニットを相手が処理できないことを祈るという他力本願なところのあるリーダーですが、それならブーストで守ってから祈るメーヴ女王の方がまだマシだよね、という。新拡張で処理が減るということはまずなさそうで、当分は冬の時代か。
 
 先月末の弱体化により、トップクラスの人気からなんと遭遇率0%まで落ちぶれたエムヒル。栄枯盛衰と言ってもいくらなんでも極端、調整のやりすぎ感がヒドイ。
 私自身は結構エムヒル試してみたんですが、全く戦えないということはないです。ただ、コスト164という低さに見合うだけの点数を、ショープもゾルタンも再利用できないこのリーダー能力で出すのは、相手がよほどのうっかりさんでもないと相当しんどい。再調整待ち。

 何も調整されてないのに、HC始まって以来、ずっとホームで隠居してるのがジャン・カルヴェイト。確か今月はシーズンモード(いまや懐かしい)で1回見ました。いい加減どうにかしてあげて欲しいんですが、調整が難しそうな能力ではあります。

 アイストは、今シーズン、私がプロランク到達した時に使ってたリーダーなんですが…。戦士要素をブランに持ってかれてアイデンティティを喪失してしまったのが原因か。私が愛用してたコンボ型も、ビッグモンスターと指揮官の角笛の流行がもうちょっと下火になってくれないとちょっとしんどいです。


シーズン・ベア流行カード

1.コーラル
2.シェルドン・スカッグス&ドワーフの扇動者
3.召喚陣
次点.リヴィアのゲラルト、圧殺の罠

追記

 せっかくなので自分の戦績も残しておきます。400戦トータルでは188勝200敗12分、勝率48%。

  1. メーヴ女王(93戦41勝50敗2分、45%)
  2. アイスト・テルショック(65戦36勝28敗1分、56%)
  3. アラキス・クイーン(42戦23勝17敗2分、58%)
  4. クラフ・アン・クライト(31戦15勝13敗3分、54%)
  5. ゲルニコラ(29戦14勝14敗1分、50%)
  6. エレディン(29戦11勝17敗1分、39%)
  7. フランチェスカ・フィンダベア(26戦14勝11敗1分、56%)
  8. ブラン・テルショック(24戦12勝11敗1分、52%)
  9. エムヒル・ヴァル・エムレイス(23戦12勝11敗、52%)
  10. ヘンセルト王(17戦5勝12敗、29%)
  11. モルヴラン・ヴーヒス(8戦1勝7敗、13%)
  12. エルデイン(6戦3勝3敗、50%)
  13. フォルテスト王(5戦1勝4敗、20%)
  14. アーダル・エプ・デヒー(2戦0勝2敗、0%)

 今シーズン、1番使ったのはメーヴ。これは、クラスチャレンジ期間中に無心でひたすら数をこなしていたから、という単純な理由。
 クエスト消化のための試合も含まれてるのでメーヴの勝率はちょっと参考外なところありますが、それにしても北方勢の勝率が全体的にヒドイ。3リーダーで借金19。特にヘンセルト王は、使い慣れてないので酷いプレイミス多かったです。メーヴを使いすぎていたせいで、ブーストかけるつもりで初手リーダー能力使ってしまい即コンシしたことも…。

 勝率ということでいえば、北方以上にヒドイのがニルフガード勢。モルヴランで1勝7敗て。
 これはミッドレンジデッキでの押し引きがよく分かってないから。
 グウェントでの腕の差が一番出るのって、フィニッシャーが飛び交って見た目派手なR3でのプレイングよりも、ブロンズ中心で地味なR1、2での押し引きなんだと思います。アイスト、フランチェスカあたりでは勝ち越せてるというのも、押し引きどうこうでなく決めたら勝ちのコンボデッキだからでしょう。

 しかし、結局、最高勝率をマークしたのは、wangid1選手のデッキを参考にしたアラキス・クイーン。練度ということでいえばアラキス・クイーンもヘンセルト王と大差ないレベルなんですが。使い慣れたオリジナルデッキより慣れてなくてもプロのデッキ、ってことです。おそるべしGwentOpen覇者。

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