コボルト環境でのOTK型ドラゴンプリーストの変遷

(2/16追記:記事末に今回参考にさせていただいたデッキの作者及びBeerBrickの記事へのリンクを追加)

 ナーフから1週間ほど経ちましたが、環境は結構混沌としていて面白いことになってますね。ボーンメアの代役として菌術師が出てきたり、パラディンが飢えたカニの脅威から逃れるために新兵シナジーを採用してクリスタル・ライオンが構築入りしたり。

 そんな中、私自身は飽きもせずあいもかわらずOTK型ドラゴンプリーストやってるわけですが。
 ただ、今後も使い続けていくためには、環境に合わせた微調整が大事になってきます。
 そこで、コボルト環境以降におけるドラプリの構築の流行の変遷を見てみようと、BeerBrickに挙げられてる、2017年12月14日以降にレジェンド上位到達したOTKドラプリのデッキを表にしてみました。

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 こうして見ると、まずこのデッキのテンプレとして採用されているのは以下の24枚。

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 これらはまず絶対。
 とすると、残り6つの自由採用枠が構築の腕の見せ所となるわけです。
 その6枠で、弱点を補強していくのか、長所をより伸ばすのか、対応力をつけるのか。
 OTKドラプリについて言い換えれば、アグロ耐性を強化するのか、OTKを決めるための準備を整えるのか、あるいは特定のヒーロー・デッキをメタるのか。

 傾向をざっと見てみます。

<アグロ耐性強化>

 アグロ対策としては、軽いAOEか挑発といったところが定番。コボルト初期はAOE代わりになる熱狂する火霊術師がよく採用されていましたが、最近はほぼ絶滅。このところは定番挑発ミニオンのタール・クリーパーが人気。
 私も両方試しましたが、味方にもダメージ入る熱狂する火霊術師は、体力バフしてからの反転ドーンというこのデッキの趣旨とそもそも相性良くない気がします。
 タール・クリーパーも、沈黙必須の現環境ではあっさり抜かれる場面多くて、壁としては正直そこまで信頼できません。ただ、スペルブレイカーを早めに引っ張り出せばそれだけで仕事したとも言えます。次のターンにダスクブレイカーで他の小型ミニオンもろとも掃除してもよし、体力1にされる心配せずにトワイライトドレイクを着地させるもよし。
 あと、挑発ミニオンとしては、ストーンヒルの守護者、トートランのシェルレイザーなども試したことありますが、前者は自身が壁として貧弱すぎ、後者は4マナ枠はすでにダスクブレイカー、トワイライトドレイクで埋まっている、ということでしっくり来ず。回復狙えつつOTK向きのステータスも優秀な宴のプリーストもありだと思うんですが、これも4マナなので枠がキツイ。

 その他のAOEとして、ドラゴンファイアポーション、心霊絶叫、最近では始祖ドレイクといったところも見られますが、ダスクブレイカーの全体3点の丁度良さに比べると、帯に短し襷に長しという感じが否めず。弱いというよりダスクブレイカーが強すぎるせいで採用率は高くありません。

 あと、狂気ポーションは、2枚→1枚→2枚と入れる枚数の流行りに波が見られます。

  1. コボルト初期)対ラザカスプリーストで相手のドローソースをパクって逆用できれば強いので2枚入れとこ
  2. (ナーフ前後)ウォーロック相手に2枚入れても使いきる前にガイストで燃やされるし1枚で十分だべ
  3. (ナーフ後)マーロックパラディン、秘策メイジの序盤からのラッシュを返すには2枚あっても?

 という経緯。たぶん。個人的にはこれ以上のアグロ天国にでもならない限りは1枚挿し派。まあ、私のデッキには影の狂気も入ってますし。


<OTK強化>

 OTKを強化する方向の構築としては、

  • パーツを早く揃えるためのドローソースを入れる
  • OTKのパーツになりうるカードを増やす

 という2パターンが考えられます。
 ドローソースとしては、ハマれば複数ドロー狙える回復の輪や苦痛の侍祭が当初よく見られましたが、その後は確実な1ドローの初級エンジニアを2枚入れる構築が流行り、現在はどちらもあまり採用されてません(ここにきてナットペイグル入りという独自路線も現れましたが、さすがに定着はしなそう)。
 もともとノースシャイアの聖職者、真言盾とわりとドローソース豊富なデッキですので、さらにドローに枠を割いてる余裕あるのかという気もします。あと、密言痛を入れてるラザカスプリースト、死角からの一刺しorSI7諜報員+ダガーで簡単に3点出せるテンポローグが環境から消えたことで、序盤にノースシャイアの聖職者を適当に素出ししておいてのドローが期待しやすくなった、というのもあるのかも。

 OTKパーツになりうるカードとしては、イカれた錬金術師が最近ではほぼ構築入りレベルの採用率の高さ。コントロールウォーロックには大体入ってるガイストに内なる炎を燃やされても即投了しなくて済む安心感は大きいです。
 手札からOTKを狙えるストームウインドの騎士は、このところは構築から外れています。同じく手札を溜め込んでOTK狙ってくるラザカスプリースト相手には有効だったんですが、現環境ではひたすら挑発が並ぶコントロールウォーロックや、爆発のルーンで出てきた瞬間に燃やされたり、アイスブロックで跳ね返されたりする秘策メイジといった、ストームウインドの騎士が機能しづらい相手が増えているのが逆風。
 逆に増えてきているのが、大いなる解呪。ウォーロックがDKやらンゾスやらで盤面一杯に挑発並べてきた返しのターンにOTK狙えるというのはあまりに魅力的。ドローもついてるので腐りにくいです。
 2枚目のトワイライトの侍祭、狂気ポーションも、コンボで相手のミニオンをパクってのOTKを狙うチャンスが増えるという意味では、このジャンルに入れてもいいかもしれません。ただ、格好のターゲットであるヴォイドロードが出てくる頃というのは、いつガイストで狂気ポーションを燃やされてもおかしくないタイミングでもあるので、実際にはなかなか。決まると最高に気持ちいですが。影の狂気で狙う方がまだ現実的な気はします。
 ちなみに、私のデッキの狐のマリンもOTKパーツの一つ。敵の盤面に出る0/8の宝箱は、パクってOTK決めるには格好の種です。OTKドラプリのミラーマッチなんかでは危なくて出せたもんじゃりませんが。


<テックカード>

 自由採用枠の花形、テックカード。特定のデッキを狙い撃ちしてぶっ刺すカードですね。
 ただ、このデッキはドラゴンミニオンの性能の高さで多少のことには対応できてしまうし、そもそも相手に対応するよりもOTKパンチを通すことに注力したいので、テックカードに割ける枠はそこまで多くないのかなとも思います。
 とりあえず、採用されたことがあるテックカードを見てみますと、

  • ゴラッカクローラー(ナーフ前の対テンポローグ、アグロ全般)
  • 飢えたカニ(対マーロックパラディン
  • 秘密を喰らうもの(対秘策メイジ)
  • 酸性沼ウーズ(対キューブロック、パラディン、メイジ)

 環境が混沌としてるので、対応するにしてもどこを向いたらいいかまだ定まっていない状態ですが。
 とりあえず、パッチーズという餌がなくなったゴラッカクローラーは置いておくとして、飢えたカニ、秘密を喰らうものはここ数日あらゆるデッキから飛び出してきますね。秘策メイジが秘密を喰らうもの出してきたりしますから。そんなに秘策が憎いならなぜ自分で使ってるのか。
 この2枚はテックカードの中でも素出しした時の弱さが際立っているので、なるべくなら入れたくないカードだと思うんですが、よっぽどマロパラ、秘策メイジへの怒りゲージが溜まってるんだと思われます。
 個人的には、クエストメイジが大流行してるというなら怒りのあまり秘策喰いの採用も考えそうですが、秘策メイジ相手にはそこまでムキにならなくても、と思ってしまいます。
 先に書いたようにテックカードをもりもり積むようなデッキではないので、今後もそこまでテックカードの採用は増えないのではと予想してます。


<その他>

 とりあえず入れといても損しないだろ枠として、太陽の砕片ライラ、ひとまねグリマールートあたりは以前はかなり採用されてましたが、今月に入ってからは姿消してます。強いカードではあるんだけど、このデッキの趣旨とはあまり関係ない強さなので、突き詰めていくと淘汰されていくのが自然か。
 テンポラスは永遠のロマン枠ですが、顔面パンチ力が低いコントロールウォーロック相手ならわりとあっさり通りそうなので、全くのネタというわけでもない。たぶん。さすがにギャンブル要素強すぎるので、ネザースパイトの歴史家の他の発見が護宝のドラゴンやら漆黒のドラゴン鍛冶やらハズレばっかりな時に、やむをえず引っ張ってきて遊びでぶん投げるくらいが丁度良いと思いますが。
 その他のドラゴン枠としては、コバルトスケイルベイン、ブックワーム、始祖ドレイク、イセラが見られます。テンポのスケべ、ヴォイドロード喰いのブクワ、安定の始祖ドレ、パワーのイセラ。どれも強力ですし、ドラゴンシナジーを安定させるためにもドラゴン増量は全然あり。採用してるデッキは今のところ見られませんが、ネザースパイトの歴史家から引いた時の強さを考えるとアレクストラーザもありなのではと思います。ガンガン顔詰めてきた秘策メイジに対してアレクストラーザで回復して相手息切れ、なんて勝ち方したこともありますし。まあ、私はアレクストラーザ持ってないんですけど。でもアレクストラーザならパッチーズ砕いた魔素で作るのもやぶさかではないです。


<今後の予想>

 ヴォイドリッパーが流行る。



<参考元>